Viecoi Co., Ltd (Director: Anzai Akira)は2024年8月に、
東南アジア圏を中心に展開しているオンライン適性検査PandaTestにおいて、マレー語版をリリースしマレーシア市場への展開開始をお知らせいたします。

PandaTestについて

PandaTestは面接では見抜きにくいポイントをデータで可視化する、ベトナム、タイ、インドネシアなどを中心とした東南アジア圏向けのオンライン適性検査です。
この適性検査の最大の価値は、従来見落とされていた“組織の中で活躍できるか”を見極めることが可能な点です。

すべての項目にスコア(100点満点)を付けることによる可視化で長所・短所を特定し、面接判断や人材育成を効率的に進めることができます。
つまり面接や履歴書では分かりにくい点を可視化することにより、人材見極めと組織のパフォーマンスを向上させることができます。

現在(2024年8月末時点)ではすでに6,000人以上の方がPandaTestを受験しており、業種業界問わずさまざまな企業様にご活用いただいております。

増加するマレーシアへの日系企業進出

外務省が発行している海外日系企業拠点数調査(令和5年10月1日)によると、マレーシアに進出している日系企業拠点の数は1617になっています。
これは海外日系企業拠点数調査(令和2年10月1日)と比較すると、マレーシアでは日系企業の拠点数が387増えていることが分かります。コロナ後のこのたった3年の間で数多くの日系企業がマレーシアに進出しているのです。

また、シンガポールを拠点としている日系企業がマレーシアにアジアのヘッドクオーターを移転しつつあります
まず、シンガポールにヘッドクオーターを置くことは、運営コスト、特にオフィス賃料の上昇が大きな課題になっています。その部分を解決するべく、多くの日系企業はコストが低い他国への部分的な移転を検討しているのです。そこで、マレーシアが選ばれている傾向にあります。

その背景には、マレーシアの税制優遇措置と戦略的な機能移転があります。
マレーシアでは、地域オフィスを設立する企業に対して5-10年の間に5-10%の優遇税率を提供しています(MIDA、2021)。これが日本企業にとって非常に魅力的であり、多くの企業がこれを利用してマレーシアに移転を決めています​。
そして、戦略的な機能移転として、多くの日本企業はシンガポールから完全に撤退するのではなく、営業や企業企画など特定の機能をマレーシアに移転しています。これにより、シンガポールの利点(立地、言語の堪能さ、金融サービスなど)を活かしながら、運営コストを削減しています​。

上記の動きも相まって、ジェトロが実施した「2022年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」によるとマレーシアに進出日系企業の約半数がマレーシアでの事業を拡大すると回答しています。前年と比較すると、事業拡大意欲が5.2%も増加しているのです。
この結果はASEAN主要6カ国(ベトナム、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン)と比較して、最も大きい上昇幅になりました。この背景には、マレーシアの成長性、潜在力の高さがあります。
同調査によると、約40%の企業がマレーシアの成長性、潜在力の高さを理由に拡大の意思決定をしたと報告されています。

このようにマレーシアに進出する日系企業はコロナ後増加し、半数の日系企業がマレーシアの成長性や潜在力を理由にマレーシアでの事業拡大に注力しています。

マレーシアにおけるマネジメントの利点と課題

日系企業がマレーシア進出・事業拡大を選ぶ背景には、言語・コミュニケーション上の障害の少なさが最も大きな理由として挙げられています。
実際ジェトロが実施した「2023年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」によると81.2%の企業が言語・コミュニケーション上の障害の少なさをメリットに感じていると回答しています。マレーシアは公用語がマレー語でありながら英語も多く使われ、アジアではトップレベルに英語力が高いとされています。

その一方、同調査で経営上の大きな課題として挙げられているのは、人件費の高騰(66.0%)、従業員の離職率の高さ(49.8%)、専門職・技術職・中間管理職等の
労働力の不足・人材採用難(44.0%)
です。いずれも人材関連がリスクとして挙げられています。
その背景から、マレーシアの日系企業では人材不足に直面している割合が63.5%にまで上っています(ジェトロ、2024年3月)。この結果を主要6カ国と比較すると、人件費の高騰は共通の問題点といえますが、従業員の定着率に対する問題意識はマレーシアが特に高い結果になっています。

課題改善への一歩

この状況において、まずは従業員の早期離職と定着率を改善していく点に各企業は注力するべきです。早期離職・定着率を改善するためには
人材マネジメントにおいて共通の物差しを持つことが重要です。マレーシアにおいていくら言語の障害が少ないとは言え、文化的な背景により互いを理解しきれていない点があることも事実です。その“相手への理解”を深める手段として、PandaTestは有効に活用することができます。

引用
「2022年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」
「2023年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」海外進出日系企業拠点数調査|外務省 (mofa.go.jp)
際立つ人材不足、給与外の待遇改善にも創意工夫(マレーシア) | アジア大洋州地域の人材確保・賃金高騰の現状と対応 – 特集 – 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ (jetro.go.jp)
Principal-Hub-3.0-Guidelines_08092021.pdf (mida.gov.my)